20代女性のうつ状態から、栄養療法併用での復職改善例
カテゴリー:ブログ
20代の女性です。
R5.4月より新卒として勤務。一人暮らしで、食事はあんまり取れていなかったと。
6月頃より、仕事に行きたくない、泣きながらいっている。朝は頭痛や発熱まである。
人混みが多い空間がいやになる。
中途覚醒が頻回で、休日は引きこもってしまい、好きな動画や音楽もだめになる。
有休もなくなってきたため、6月当院初診。
初診時、血液検査所見は、
AST/ALT=13/6 ビタミンB6不足深刻
LDH=154 ナイアシン不足
コレステロール=134 エネルギー不足
グリコアルブミン=12.4 低血糖あり
血清亜鉛/銅=82/90 亜鉛不足
フェリチン=7 鉄不足深刻
栄養療法では即効性はないので、レンドルミンやドグマチールは当初は使用の上、タンパク質摂取指導や、クエン酸鉄50mgから開始。
上司や産業医との環境調整の話し合いもあり、不眠の訴えは続いたため、デエビゴ、ジェイゾロフト、メイラックス0.5mgなど投薬内容の変更はいろいろあり。
7月 ビタミン C3g ビタミンB 150mg/日を説明・説得の上、サプリメント追加。
8月 頭痛や感覚過敏で、夜道でびっくりして泣いてしまうこともあると。マグネシウム400mg/日 ナイアシンアミド1500mg/日追加
9月 血液検査は、
AST/ALT=16/10 ビタミンB6不足かなり改善
LDH=141 ナイアシン不足継続のため、増量指導。
コレステロール=145 アセチルCoAが順調に作られてきた。(アセチルCoAはコレステロールの原料。エネルギー代謝がうまくいなかいと作られない。)
グリコアルブミン=12.6 低血糖まだあり、タンパクや脂質での間食指導。
血清亜鉛/銅=87/91 亜鉛不足 今後追加するか検討
フェリチン=47 鉄不足かなり改善。これぐらい上がると、体感としても違いがありそう。
9月 家族で職場近くへ引っ越しあり。疲れはそれほども、頭痛や腹痛がネックと。
10月、頭痛や腹痛もたまに程度で、復職意思も堅いため、11月より時短勤務での復職となりました。
処方は、マイスリーのみで、他は鉄やマーズレン、ミオナールなどで、抗うつ剤はなしです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うつ状態と判断されやすい症例も、隠れた栄養不足を改善することで、お薬は最低限で復職できました。
今後、一人暮らしに戻るため、食生活やサプリメントの継続の心配はありますが、本人も前向きで、コンプライアンスは維持できそうです。
精神科の診断は、身体疾患が除外されてから、つけられるものです。
皆さんも、身体面の見直しを血液検査を通じて行い、栄養療法で改善して頂きたく思います!