起立性調節障害が疑われ、鉄剤とビタミンB剤、食事指導による改善例
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15歳女児
2年前の冬に起きれず、1ヶ月伏せっていた時期があった。
今年は、夏休み前はたまに遅刻する程度。9月はしんどいといいながら、登校する日々。
保健室の利用や早退も目立つので、起立性調節障害を疑い、母とともにR5.10月当院受診。
採血結果は、
AST/ALT=16/10 ビタミンB6不足
ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ:ビタミンB6が補酵素 アミノ基転移酵素=アミノ酸の生体内利用や、アミノ酸を炭水化物にしたり、糖新生(アミノ酸から糖を作る)補助に。
BUN=11.8 タンパク質不足
尿酸=3.7 抗酸化力の低下(ストレス耐性の低下)
ヘモグロビン/MCV=11.1/86 小球性貧血、鉄不足を示唆
フェリチン=6 かなり鉄不足
亜鉛/銅=78/123 亜鉛不足 軽度炎症や、エストロゲン優位のホルモン状態か
グリコアルブミン/血糖値=13.7/76 随時血糖値であるが、低血糖あり。
朝ご飯のタンパク質摂取の指導、塾の前の間食を指導(低血糖のため)
処方でクエン酸鉄とプロマック(亜鉛入り胃薬)、カプセルが苦手なので、ヘム鉄ビタミンB合剤(あしたのげんき!)を同時に処方。
R5.12月 元気で登校できているとのこと。
R6.1月の採血結果は、
AST/ALT=17/15 ビタミンB群の活性化を示唆
BUN=10.5 タンパク質不足も、脱水が補正されて、BUNは低下と解釈(タンパク摂取が進むと、代謝水から脱水が補正されることが多い)
尿酸=4.1 抗酸化力すこし上昇 タンパク質や核酸摂取の増量に伴うものと解釈
ヘモグロビン/MCV=13.5/93.2 貧血、鉄不足は顕著に改善
フェリチン=61 鉄不足改善(50を超えると、実感が出てくる印象あり)
亜鉛/銅=110/115 亜鉛不足改善し、理想的な比率
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タンパク摂取や、内服をきちっとしてくれたので、比較的早期に改善できた印象です。
最近は、唐揚げやマヨネーズの摂取も推奨しています。唐揚げは意外と糖質が少ないです。
オーソモレキュラーの先生には怒られそうですが、
揚げ物=過酸化脂質の害 (体内で活性酸素を発生) 小麦の害(グルテン アレルギーや炎症に関与)
マヨネーズ=植物油 不飽和脂肪酸の弊害 (過酸化脂質になりやすい=フリーラジカル)
は認識していますが、まずタンパク不足や、低血糖のため糖質以外の脂質での
エネルギー摂取を優先すべきであること、子どもの食事指導の上では、無理のない内容がいいと考えています。
また、ヘム鉄と無機鉄両方を活用することで、自然な経路での鉄不足解消が可能です。
HCP-1=ヘム鉄 DMT=1 無機鉄の吸収経路
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