慢性疾患(閉塞性肺疾患COPD)を抱え、長年の不眠や頭痛、下痢に悩む60代男性の栄養療法例
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60代の男性です。
30年来の不安神経症、自律神経失調症と言われ、治療を受けている。
コロナで閉じこもりの生活となり、頭痛や夜間の中途覚醒が悪化した。
ソラナックス、リボトリール、セルシン、ユーロジンなど多剤併用であり、
相談をかねてR2.7月当院初診。
整体の先生のすすめもあり、自力でビタミンB、ナイアシンアミド、ビタミンC、GABA、メラトニンなど内服中。
採血結果は、
AST/ALT=28/30 γGTP=43 軽度脂肪肝、肝負担あり
BUN=17.3 一見理想的も、脱水はあり (やせ型の方で、COPDあり)
CRP=0.91 フェリチン=276 慢性炎症あり
下痢もあり、おなかへのアプローチとして、グルタミン、ビタミンA、ビタミンDも追加。
R3.10月 肺炎の再燃あり。5kgの体重減少あり、プロテインの摂取増量を指導。
炎症対策として、ビタミンE、EPA/DHAも追加。
R4.3月 不安やパニックはまし。頭痛もましかなと。睡眠も、うまくいけば1回の覚醒ですむ。
夜間頻尿もあり、マグネシウム追加。(膀胱の緊張をゆるめる、カルシウム沈着を軽減)
その後も腰痛や、倦怠感、頭痛など経過に変動はあり。
R5.4月花粉症がひどいため、ビタミンD2万単位へ一時的に増量。
7月 体調はいいほう。胸の違和感もましで、内服もデジレル、ユーロジンのみで推移。
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)をお持ちの方で、慢性疾患があり、経過が長引いています。
しかし、ご本人はおなかの調子も、胸部の違和感もましなようで、内服量も減量できて満足されています。
寒い季節に肺炎が再燃しやすく、そのたびに抗生剤が投与され、主治医も原因がわからないと首をかしげるようです。
栄養的には、炎症を抑える力が弱い、タンパク不足による免疫力低下、基礎疾患による異化亢進と考えられ、
プロテイン、ビタミンE、EPA/DHA、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンCが有効であった印象です。
メラトニンも併用しています。