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抑うつ、動悸、過敏性腸症候群の栄養療法改善例

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20代の女性です。

元来まじめで、対人的には優しい性格。

自営業の手伝いの中で、対人関係のストレスから、うつっぽくなる。

1年前より原因がわからず、循環器、消化器内科、心療内科で治療したが、すっきりしない。

うつっぽさ、動悸、ふらつき、吐き気、消化管びらん、出血、逆流性食道炎、過敏性腸症候群などと言われた。

TMS治療(経頭蓋磁気刺激)中とのことで、R5.5月アドバイス目的で紹介受診。

採血は、

AST/ALT=13/5 重度のビタミンB6不足

BUN=7.4 重度のタンパク不足

フェリチン=19 MCV=98.5 鉄不足 胃のトラブルでビタミンB12・葉酸吸収障害

血清亜鉛=73 不足

まず消化管の調子を良くする目的で、グルタミン3g ビタミンA2万単位 ビタミンD5000単位をサプリで。

オイコスやザバスなど、胃腸の調子を見ながら、積極的な摂取を指導。

6月 胃腸の調子は過去にないほどいいと。受診できず、サプリがなくなるとまた元に戻ったと。

おなかの調子がいいと、メンタルも安定しやすいとのことでした。

冷蔵庫にいっぱいのオイコスを見せてくれました。(笑)

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改善はこれからですが、栄養療法を行う上で、消化管のケアは最優先されます。

まず消化管の粘膜のrepairしないと、栄養の消化・吸収ができず、便に流れてしまいます。

栄養で下痢しやすい人は、腸内環境や粘膜のトラブル、消化不良の可能性が大です。

グルタミンとビタミンAで、粘膜のIgA抗体も増え、粘膜免疫も回復が期待できます。

ビタミンDは、抗菌ペプチド(カテリジン、皮膚のβーディフェンシン)産生、粘膜細胞のタイトジャンクション形成などに関与します。

ビタミンDは、神経のバランスを整えるセロトニンを調整することもわかっています。

ハードな仕事のストレス下にある方は、特に体内コルチゾールが高く、免疫抑制、異化亢進状態のため、タンパク質やグルタミンなど特別な栄養補給が必要です。

グルタミンは、大量内服のときは、ビタミンBの栄養が無難です。

グルタミン→グルタミン酸(興奮性)→GABA(抑制系) 

小児では、単独大量摂取は推奨できません。

 

by nakasone | 2023.07.06 |