起立性調節障害の治療について
カテゴリー:ブログ
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
やっと暖かくなってきた今日この頃ですが、皆さんはいがかお過ごしでしょうか。
私は、できるだけ昼休みに日向ぼっこをして、スマホを触らず何もしない時間を作るようにしています。
意識的にリラックスすることも大事ですね。
ここでお知らせさせてください。3月15日より、水曜日の午前中を診察枠として増やしました。
現在ネットから予約できませんので、直接窓口にお問い合わせください!
皆さんは、子供さんのことで、日々悩んだり、時には深刻な状態にひとしれず悩んで、
だれにも相談できない親御さんも多いのではないかと思います。
私も日々の診察では、面接や精神療法、時には薬物療法も行いますが、思春期の方の治療は難しいことが一般的です。
なぜなら、子供さんは大人のように、自分の悩みや内面の感情を言葉にすることが苦手。
だから精神療法も効果が限られる。
我慢しつづけて、体の症状として訴える。具体的には頭痛、腹痛、めまい、朝起きれない。
小児科や内科で検査しても、問題なし。途方にくれるか、心療内科を紹介されるか・・・
そんな現状の中で、私は栄養療法に出会いました!
栄養療法とは、分子整合療法、オーソモレキュラー療法、バイオロジカル療法とも言われています。
聞きなれない言葉で、うさんくさいですね。(笑)
私も内容を知るまでは、皆さんと同じ意見でした。でも、東京で講義を受け、関連書籍で勉強するにつれ、これこそが生きた化学、生化学の臨床への応用だ!と感動しました。
簡単に言うと、人間の細胞に、適切な種類・至適量の栄養を与えれば、体の自然治癒力が最大化し、体がどんどん元気になるのを応援するやり方なのです。
ですから、基本的にほとんど副作用の心配はありません。体の求めに応じて、必要な栄養を準備してあげる、お膳立て療法だからです。
では実際はどうなのか、これから当院の症例の一例を見てください。
15歳の女の子
元々アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーあり。
A年2月 座っているのもしんどそう。簡単な宿題しかできない。
食後は特にしんどそうで、ぐったりしている。
色々な漢方治療を受けたが、あまり効果がない。
週1回の習いごともしんどく、帰宅後は昼寝が必要。立っているとめまい。15分立っていられない。頭は常にぼーとしている。天候の悪いときは頭痛。
A年3月総合病院で、起立性調節障害の診断を受ける。
A年4月当院初診。
診察中は、座っているのもしんどうそうで、目が半開き、ふらふらしている状態。
採血で、脱水、低血糖、鉄不足、ビタミンB3(ナイアシン不足)、亜鉛不足などあり。
不足分のビタミン・ミネラルの補充と、アレルギー疾患があるため、小麦、乳製品の回避(グルテン、カゼインフリー)、ビタミンA ビタミンD メラトニンも追加。
彼女は治したい意志がしっかりで、1日3回内服してくれました!
A年5月少し動けるが、まだ疲れやすい。頭痛やめまいはなし。
A年7月朝起床できる。京都へ遊びに行けた。
A年9月採血。鉄の貯金がまだまだなので、鉄倍増。まだ低血糖なので間食指導。
また疲れやすいというので、コエンザイムQ10も追加。
A年11月睡眠覚醒リズムは、メラトニンなしでも大丈夫。習い事も週に2回、買い物もいける。
A+1年2月塾にも参加できた。春期講習に4時間出席。だいぶ体力にも自信がついた。
母も安心しているようで、今後が期待されます。
~彼女の状態は、どう考えたのか~
元々アレルギーがあり、また食後の体調不良から、消化管の状態が悪いと推測しました。
消化酵素や胃酸分泌不全による消化不良、腸リーキーガット症候群の状態と思われます。
抗アレルギー対策、消化管の回復を優先させることと並行して、栄養を補充しました。
易疲労性、頭痛、ふらつきなどは鉄・タンパク不足によるエネルギー産生不足、また気圧変化による酸欠状態の誘発
ドーパミン系の形成不良による、血圧の維持困難と考えました。
チロシンから、ドーパミンを作るには、鉄とタンパク質が必須なのです!
ドーパミン:やる気、集中力、好奇心など。代謝されて血圧の維持に利用。(ノルアドレナリン)
脳内では、神経細胞同士が、ドーパミンなどで情報のやりとりをしているのです。
このように、日々の栄養と、脳の働きは密接な関係があります。
いかがでしょうか?少々難しいですが、是非ご関心のある方、お困りの方は当院にご相談ください。