起立性調節障害や体の諸症状から不登校となった13歳男児の、ヘム鉄ビタミンB配合剤併用による改善例
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3年生の秋から腹痛、頭痛、ふらつき、足の痛み、朝起きれない状態となり、3学期から休みが増える。
登校したい気持ちはあるが、だるそうで、朝食後もごろごろしてしまうとのことで、
R3.3月当院を紹介初診。
採血結果は、
AST/ALT=23/12 ビタミンB6不足
BUN=11.2 タンパク質不足
尿酸=3.3 抗酸化力の低下(ストレス耐性の低下)
ヘモグロビン/MCV=12.0/82.5 貧血、鉄不足
フェリチン=38 鉄不足
亜鉛/銅=82/117 亜鉛不足
プロテインを含めたタンパク質の摂取指導と、カプセルのビタミンBやナイアシンアミド、鉄、亜鉛など処方したが、継続できず中断。
R4.3月再度受診。保険でクエン酸鉄(無機鉄)とプロマックなど処方開始。R5.1月で一旦終了。
R5.11月 4月から中学生となり、友人とのトラブルや部活動のバスケットの先生も厳しく、腹痛もあり休むことが増加。
採血は、
AST/ALT=19/9 ビタミンB6不足 悪化
BUN=11.8 タンパク質不足
尿酸=5.6
ヘモグロビン/MCV=13.5/83 貧血、鉄不足継続
フェリチン=52 鉄不足(運動による影響で少し上昇か)
亜鉛/銅=92/125 亜鉛不足
クエン酸鉄(無機鉄)は、腹痛もあり内服できていなかったとのこと。
R5.11月中旬より、ヘム鉄ビタミンB配合剤(あしたのげんき!)を併用して開始。
保険でもクエン酸鉄(無機鉄)とシナール(ビタミンC)を念のため併用。 (鉄不足が深刻と判断)
R5.12月 体感はいいようで、家では元気と。3日間テストにいけたが、その後2日間寝込んだと。
ビタミンBのにおいを嫌い、今まで飲めなかったがこれは飲めるとのこと。
R6.1月 3学期はほとんどいけた。部活動は無理しないように助言しているが、本人がやってしまっているよう、とのことでした。
しっかり継続できれば、なお安定するでしょう。
成長期は、体重1kg増加により、鉄が30mg必要になります。
鉄は、発汗でも失われ、激しい運動では足底で衝撃により溶血してしまいます。
ですので、より一層の鉄やタンパク質、またタンパク質を膜消化、吸収、利用することに寄与する、ビタミンB群が必要となります。
”あしたのげんき!”は、お子さんが苦手なビタミンBのにおいをできるだけ抑え、併せて吸収率の高いヘム鉄を含有しています。
鉄不足が深刻なお子さんは、無機鉄とヘム鉄の併用療法が、一つの解になるかもしれません。
鉄の吸収経路には、HCP-1(ヘム鉄)とDMT-1(無機鉄)という二つの経路があります。この経路を両方使うと、効率よく鉄補給が可能となります。
男児へのキレート鉄がご不安な方にもおすすめです。