感冒後の頭痛、吐き気、倦怠感から学業に支障が出た18歳男児の栄養療法改善例
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新型コロナワクチンは3回摂取あり。
予備校生で、9時から18時まで詰め込みで授業あり。
祖母の東京に遊びに行った後、発熱あり。検査キットでは判定微妙と。
1日中ふわふわするめまいと、頭全体の頭痛、倦怠感があり。週末の模試に1日参加すると、
2日間は寝込んでしまうなど学業に支障あるため、
R5.11月当院初診。初診時の採血結果は、
AST/ALT=11/10 かなりのビタミンB6を中心とした欠乏あり。
ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ:ビタミンB6が補酵素
ビタミンB群が不足すると、エネルギー代謝・タンパク質代謝の低下、疲労感の蓄積、不眠、いらいらなどが強くなる。
BUN=14.1 タンパク質不足(初診時は脱水があることが多いので、一見タンパク質代謝はましそうに見える)
尿酸=4.6 抗酸化力は現時点でまずまずか
ヘモグロビン/MCV=15.2/87.6 MCV低値で赤血球の小球性変化あり、鉄不足と判断。
フェリチン=52 鉄不足(男子の中では、基準値の低値側 かなり深刻な鉄不足と判断)
TIBC/UIBC/血清鉄=365/192/173 やや血清鉄高値で、炎症からの細胞からの逸脱があるか
亜鉛/銅=113/87 細胞破壊で、一見亜鉛高値か
グリコアルブミン/血糖値=13.6/101 まずまずの検査結果も、低血糖ありそう (アルブミン=5.1は高値で、脱水あり)
タンパク質と脂質を中心とした食事指導、感冒後の倦怠感として補中益気湯を処方
サプリメントは、ビタミンB群、ビタミンC、ナイアシンアミド、鉄、マグネシウムを投与。
R6.1月 頭痛は2日に1回程度に減っている。
R6.2月かなり元気と。勉強もできて、2次試験までラストスパートをしているとのことでした。
3ヶ月後の採血結果は、
AST/ALT=14/14 かなりビタミンぶBの不足は解消の印象。20まで持って行きたい。
BUN=14.0 値は動いていないが、脱水補正で、一定のタンパク代謝の改善は得られていると判断 (できればプロテインがほしい)
尿酸=5.3 タンパク質や核酸の摂取、代謝改善での数値上昇
ヘモグロビン/MCV=14.5/90.2 ヘモグロビンは下がるが、MCVが上昇=鉄不足の解消で、赤血球容積が大きく。赤血球の質が改善。
フェリチン=89 かなり改善
TIBC/UIBC/血清鉄=309/200/109 かなり理想的な範囲に収める 隠れ炎症がましかも
亜鉛/銅=107/84 あまり変化なし
グリコアルブミン/血糖値=13.8/107 低血糖軽度改善か。ビタミンBや間食の指導によるか(アルブミン=5.0)
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真面目に内服してくれたので、比較的早期に改善できた印象です。大学受験本番も、栄養療法の力を借りながら乗り切ってほしいです。
鉄は、感染症対策にも必要です。好中球が、異物に対して活性酸素を発生させて攻撃しますが、そこには鉄とタンパク質が必要です。
(NADPHから電子を受け取って、酸素に渡して、スーパーオキサイドにする。NADPH=ナイアシンアミドが関与)
(上記の電子の受け渡しに、シトクロムb酵素が一番重要=鉄とタンパク が原料)
また、エネルギー代謝においても、ビタミンBは重要です。疲労回復、疼痛緩和にも関与します。
MSSさんからお借りしました。
当院で、体に大事なビタミンBとヘム鉄を配合したサプリメントを作りました。
ご参照ください。海浜ハートケアlabo (shop-pro.jp)