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~パーキンソン病の治療~

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70代の女性の患者さん。これまで元気に過ごしていましたが、2年前にパーキンソン病を発症。1年間は安定状態を維持していましたが、急激に動きが悪くなり、幻聴も生じるようになりました。
転院し、薬物を変更したり、某大学病院で入院もしましたが、薬物も副作用のため投薬継続できず、食事もままない状態に。そのため電気ショック療法を受けてしまいました。
その後の経過が思わしくなく、意欲低下、不眠、焦燥、胸が苦しい、何の楽しみもない、と悩まれ、娘さんが当院通院患者さんであり、初診に。採血データは、Hb=11.4 MCV=97.1 UIBC=264 フェリチン=63と大球性変化を伴う鉄欠乏性貧血。
アルブミン=3.9 BUN=13.7 とタンパク質不足。
グリコアルブミン=19.2 1.5AG=19.0 と高血糖を認めました。糖質中心の食生活か、薬剤の影響も考えられました。(クエチアピン中心の投薬がされていました。)
早速、糖質制限指導、果物も控えること、高タンパク食は、施設入所のため困難そうで、市販のプロテイン15gを、おやつがわりに摂取することを指導。
サプリメントは鉄36mg ビタミンB150mg ビタミンC3000mg ナイアシンアミド1500mg Lチロシン1000mgを開始。
鉄欠乏改善、ドーパミン生成のサポートとして原料であるチロシンをプラスしました。ビタミンB・ビタミンCもドーパミン生成を助け、また抗酸化対策として必須と考えました。ナイアシンアミドも精神状態安定のため、各種代謝改善のため必要と判断しました。
2週間後、不安でじっとしていられない、泣きたい、胸が押さえつけられると感情不安定でした。抗不安剤を利用せず、GABAを不安時の屯用で使うこと、またチロシンを2000mgへ増量。
2週間後、落ち込みが少なくなってきたと、しかし不眠や不安は残存のため、寝る前にLトリプトファン500mg追加。
抑うつや不眠改善、チロシンとのアミノ酸バランスを考えてでした。
その後も悲観が強いため、Lトリプトファンを1000mgへ増量。
2週後、娘さんより、声が違う、発言が増え、表情も落ち着いているとのこと。
また診察では、固縮はまだありますが、歩行がほぼ単独でも可能であり、着座や起立、方向転換の動作がかなりスムーズになっているようでした!

この方は、プロテインやタンパク摂取がうまくいかないことが予想されたこと、娘さんが早期の回復を望まれたので、アミノ酸を追加しました。経過は油断できませんが、ドンドン改善できるようにサポートしていきます!

前回のブログも、かなり反響を頂きました!緊急時には薬も必要ですが、やはり栄養も大切です。これからも、お伝えしていきますね。最後までお読み頂き、ありがとうございます。

~北海道帯広市より届いたダリアの花~

 

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海浜ハートケアクリニック
院長 仲宗根 敏之
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by kaihin staff | 2019.10.20 |