パニック障害に栄養療法が有用であった症例 パニックや過換気と,ビタミンB6・鉄不足のエビデンスについて
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40台の女性。元来閉所恐怖傾向あり。
R7.8月頃より、外食時の煙で呼吸苦を自覚。その日の夜も息苦しく、恐怖心が2,3日残った。
その後も不安感が軽減せず、家の片付けでも胸がざわざわし、呼吸苦を生じたため、救急車を要請。
検査では問題なしと。
最近は、起床時から胸が詰まる感じがし、電車が一駅しか乗れないため、婦人科からの紹介にて
当院初診。
<R7.9月 初診時の採血結果>
AST/ALT=18/15 ALTがASTに比べて低下し、ビタミンB6不足示唆。(差が1以上)
LDH=188 ナイアシンの過不足は不明瞭。肝臓への負担があるかも。
γーGTP=21 少し肝負担がありそう。
総コレステロール=211 まずまずの値。
BUN=10.1 タンパク質の代謝の低下。摂取不足、胃酸や消化酵素の不足か。
ヘモグロビン/MCV/MCH=13/91.3/30.6 詳しく見ると、鉄不足あり。MCHは32ぐらいが理想。
フェリチン=39 一見フェリチンがいい方も、肝臓の負担でフェリチンの逸脱があり。
貯蔵鉄は低値のはず。
TIBC/UIBC/血清鉄=344/166/178 血清鉄がやや高め。
亜鉛/銅=90/103 顕著な急性炎症はないが、やや亜鉛不足。
グリコアルブミン/血糖値=14/129 血糖はまずまず。
1.5AG=14.8 18未満であり、食後血糖値の上昇(血糖スパイク)あり。
血清リン=2.6 ビタミンD不足によるリンの吸収障害、摂取不足、ないしインスリン過剰による細胞内へのシフト。
<R7.9月 初診時の指導内容>
まずタンパク質摂取指導、できるだけプロテインの利用推奨を行い、保険でプロマック(亜鉛入りの胃薬)、クエン酸鉄、ビタノイリン(ビタミンB1 B2 B6 B12)、リーゼ定期を処方開始。
R7.9月 気分がだいぶいい。ホエイプロテインを1日2回内服できている。鉄も飲めるとのこと。
ここでサプリメントへ切り替え。ビタミンBとヘム鉄配合剤(あしたのげんき!)と、ナイアシンアミド2000mg/日を開始。
処方は、プロマックとリーゼは継続。
R7.10月 行動が楽になる。夜も早く休める。 リーゼ減量。
R7.11月 ランチもいけた。
R7.12月 電車も乗れる。友人との会話も楽しめる。リーゼは不安時のみの利用に。
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診察の度に、良くなっておられたので、非常に感謝されました。プロテインをきっちり内服できていることが大きいと思います。
皆さんは、なぜパニック発作や過換気が栄養と関係するのか、疑問に思われますよね。
でも、しっかりエビデンスがあります。
<論文要約>
パニック発作・過換気発作と栄養(B6・鉄)の関係
研究の目的: パニック発作(PA)や過換気発作(HVA)で救急搬送された患者に、
特定の栄養素不足があるかを調べた 。
対象: 救急外来を受診したパニック/過換気発作の女性患者21名と、健康なボランティア女性20名
測定項目: ビタミンB2、B6、B12、鉄、ヘモグロビンなどを血液検査で比較 。
衝撃的な結果:
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発作を起こした患者グループは、健康な人に比べて**「ビタミンB6」と「鉄」の数値が明らかに低かった** 。
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一方で、ビタミンB2、B12には差がなかった 。
重要: 「ヘモグロビン(Hb)」の数値には差がなかった。(=貧血の診断がつかないレベルの鉄不足が存在していた)
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メカニズム: 精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」を作る過程で、ビタミンB6と鉄が補酵素(必須のサポーター)として働くため、これらが不足するとセロトニンが作れず、発作につながる可能性がある 。
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結論: パニック発作や過換気発作の背景には、ビタミンB6と鉄の不足が関与している可能性が高い 。
サプリメントもお手軽でお勧めです。高容量のビタミンBとヘム鉄を、国産最高水準で配合しております。(あしたのげんき!)是非、ご活用ください
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