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起立性調節障害と診断された14歳の男児、改善に1年近く時間が必要であった栄養療法例

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14歳男児。小学6年生から頭痛を自覚した。

R6.3月に近医で起立性調節障害(OD)の診断を受けた。部活はバスケット部。

R6.夏休み明けから学校に行けなくなり、同年12/21当院初診。

 

<R6.12月 初診時の採血結果>

AST/ALT=16/10 ALTが優位に低下し、ビタミンB6不足示唆。

LDH=127 ナイアシンの不足あり。

γーGTP=12 タンパク不足、解毒機能の低下を示唆。

CK=42 筋力低下、筋肉のエネルギー低下。

総コレステロール=129<180

(コレステロールはアセチルCoAから作成される。エネルギー不足でコレステロール低下)

BUN=10.3 タンパク質の代謝の低下。摂取不足か。

ヘモグロビン/MCV/MCH=15.2/85.4/27.7 鉄不足あり。MCHは32ぐらいが理想。

フェリチン=28 貯蔵鉄は低値。

TIBC/UIBC/血清鉄=289/193/96 この指標はきれいな範囲。

亜鉛/銅=97/106 急性炎症はなし。

グリコアルブミン/血糖値=12.5/80 低血糖顕あり。(グリコアルブミン14.5ぐらいが理想)

1.5AG=23.3 食後高血糖はなし。

 

<初診時の指導>

タンパク質の摂取を必ず増やすと共に、頻回な食事摂取や間食を指導の元、サプリメントを開始。

ビタミンB、ナイアシンアミド、ビタミンC、鉄、マグネシウムで開始。

<その後の経過>

R7.2月 朝も起きられる。割と元気とのこと。

R7.4月 季節の変わり目で、頭痛が多い。成長痛もあり。亜鉛追加。マグネシウム増量を指導。

R7.7月 体が熱っぽく、起床しずらい。頭痛あり。

R7.9月 週3回程度の登校。暑さに弱いと。

R7.10月 朝のだるさは継続と。

 

<R7.10月の採血結果>

AST/ALT=21/12 AST優位な上昇あり。運動したか。一程度のビタミンB群の効果あり。

LDH=145 ナイアシンの不足は軽度改善。

γーGTP=15 タンパク不足も一程度改善。

CK=67 筋力低下、筋肉のエネルギー低下も改善。ビタミンB6の影響か。

総コレステロール=146<180 まだエネルギー供給が不安定な印象。

BUN=12 タンパク質の代謝軽度上昇。

ヘモグロビン/MCV/MCH=14.9/91.2/29.7 赤血球の質は顕著に改善。

フェリチン=120 ここまで来ました貯蔵鉄。

亜鉛/銅=98/74 銅が低くなる。銅不足には、ココアの摂取を推奨。まだタンパク不足かもしれない。

(セルロアルブミンは、ラピッドターンオーバープロテイン。代謝が早いタンパク質指標として解釈)

グリコアルブミン/血糖値=12.1/70 やはり低血糖顕あり。慢性的なエネルギー不足はありそう。

(グリコアルブミン14.5ぐらいが理想)

 

<その後の指導内容>

朝食の摂取、夕方を中心とした間食の徹底、また低血糖が遷延しているので、クロムを追加。

クロムは耐糖能因子。インスリンの働きを助け、ブドウ糖が細胞内に入りやすく、エネルギーとして燃えやすくします。

 

<直近の様子>

R7.12月 先週は定期試験から行けるようになりましたと。安堵の表情でした。

担当医も安堵しました。笑

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<考察>

頻回な食事摂取や、タンパク質の増量があれば、もっと早期に回復できていたのでは、と考えられます。低血糖が遷延し、パン食も多かったようです。

食事は基本的に和食中心で、あまり砂糖を使用せず、みりんなど調味料程度の利用にとどめること、

基本ですが、グルテン・カゼインフリーをできるだけ守ることが重要です。パン、麺類、ピザなどグルテン容量が大きいものを避けるだけでも違うはずです。

糖質を取るなら、お米や野菜からですね。ただし根菜類の食べ過ぎは、糖質オーバーになります。

和食中心に、タンパク質を毎食意識することが大切です。

このご家族は、栄養療法のことは未知でしたので、説明や協力を得ることが担当医として大変でした。

できるだけご家族で、栄養療法の予備知識を得ることに関心を持って頂きたいですね。

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by nakasone | 2025.12.12 |