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割り切り力のススメ 第2章その(2)

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台風が過ぎて、気持ちのいい青空ですね。

昼間は暑く、朝晩は冷えるので、風邪をひかないようにしたいですね。

それでは、第2章その(2)を公開します。

⭐️理不尽な上司に耐えられない

Bさん(30代・女性)は医療関係の仕事をしています。話し方もしっかりとしていて、職場でいかにも「頼りになる存在」とされているような印象を受けました。

そんな彼女の悩みは、新しく転任してきた男性の上司(40代)でした。前述のAさんのように、イヤな相手が取り引き先であれば、「この一時だけのガマン」と比較的割り切りやすい気がしますが、職場の上司や先輩、同僚など、毎日、密に顔を合わせなければいけない相手と相性が悪い場合はどうすればいいのでしょうか。

Bさんに詳しく話を聞くと、その上司はBさんに現在の仕事をもっと広げるように指示するだけでなく、新しい研究会を立ち上げ、その責任者になることも命令したのだそうです。

また、職場のほかの人もBさんに頼りきっていて、すべての仕事の責任を押し付けてしまっているような状況でした。

私が口をはさむことができないほど、不満を激しく訴え続けるBさんは、日頃のストレスを一気に吐き出しているように見えました。

血液検査をすると、ストレスが身体症状として出てしまっています。交感神経が優位となり緊張状態となっていました。

見過ごせなかったのが、胃粘膜の問題です。消化吸収機能も弱まっているように見受けられたので、ビタミンB群を処方しました。

「まずは体調を整えることから始めましょう。倒れてしまっては、解決できる問題も解決できなくなってしまいますからね」

と伝えました。

2回目の診察にやってきたBさんは初回とは違い、とてもスッキリとした表情になっていました。胃の調子がよくなったこともあるでしょうが、初回で日頃ため込んだネガティブな感情を出しきったことも大きかったように思います。

落ち着きを取り戻したBさんと、改めて、ストレスの原因を詳しく探っていくことにしました。

Bさんの問題点も、Aさんと同様、相手との軋轢によってほかのことが目に入らなくなっていたことでした。上司とのやりとりにのみ心を占拠されていて、本来の自分を見失ってしまっていたのです。

仕事について話を聞いていると、彼女は「地域の人々の健康に貢献したい」と思い、今の仕事に就いたと言います。私は、

「すばらしい考えじゃないですか。上司とのことは置いておいて、今は当初のあなたの使命感に忠実に、仕事のことだけを考えたらどうでしょう」

と、提案しました。
ここには、「割り切り力」へのふたつのヒントがあります。

ひとつは「自分のことを優先しよう」ということ。

悩みに心を奪われているとき、人はイヤな相手の言葉や振る舞い、表情などに過敏に反応してしまいがちです。それは自分のことよりも、イヤな相手のことを優先している状況とも言えます。イヤな相手のことで心をいっぱいにしていても、ムダに振り回されるばかりでいいことはひとつもありません。

「イヤな相手よりも、大事なのは自分」と、まずは割り切ることです。

もうひとつは先にも触れましたが、「大事にすべき今の自分にとっての『第1位』は何か?」を考えることです。

医療関係者であるBさんの場合、仕事をするうえでの第1位は「地域の人々の健康に貢献したい」という使命感でした。それ以外のことは「第2位」「第3位」「それ以下」として、今は割り切っていいもの、としてしまうのです。

Bさんには、

「使命感を全うできるような、あなたに課せられた本来の仕事だけを今は優先してやりましょう。上司からの仕事は断ってもいいかもしれません」

と言いました。Bさんはしばらく考えていましたが、

「そうですね。全部、完璧にはできませんし、本来するべき仕事まで片手間になってしまっている今の状況は間違っていると思います」

と、少しほっとしたような表情で答えてくれました。
「上司からの仕事を断るのは難しいのでは?」と思われるかもしれませんが、まず相手の立場を思いやり、ねぎらい、尊重し、その次に自分の状況や思いを率直に伝えるしかないでしょう。たとえば、

「ご期待に応えられず申し訳ないのですが、私が今以上の仕事をしたら、どれも集中できず中途半端な結果になってかえってご迷惑をかけると思います。今月いっぱいは、私が優先する仕事に専念させてください」などと言うのはどうでしょう?

後は期日や内容についての折り合い、交渉になると思います。
Bさんのように、責任感の強い人ほど、自分に与えられた仕事をすべて「第1位」と考えてしまいます。そうして、すべてを「第1位」にしたうえ、完璧に遂行しようとするので苦しくなってしまうのです。

まずは一番大事な「本来の役割」を全うすること。

あれもこれもやろうとしてしまうから、すべてが中途半端になり、自分が本来やるべきことまで見失ってしまう。当然、周囲からの評価も下がり、自分に自信が持てなくなる。そんな負のループに陥ってしまうのです。

本来やるべきことができれば、周囲からの評価が得られます。周囲から認められると、人は精神的余裕を持てます。

ここでひと息つくことで、自分の立ち位置を見直し、理不尽な相手にも冷静に対処することができるようになります。

言ってしまえば、優先順位の第1位とは「自分がやりやすいこと」かもしれません。

Bさんの「使命感」のような、「それは大事にすべきだ」と誰もが納得するものは、大義名分にもしやすく、「やりやすいこと」なのです。

優先順位を自分でつけ、それを解決するために動けた。それが大事なのです。

なぜなら、それは「ほかにもあった、さまざまな問題をひとまず割り切れた」ということでもあるのですから。
〈割り切るためのヒント〉

① 「イヤな相手よりも、優先すべきなのは自分」ということを再確認する。

② 今の自分が大事にすべき「第1位」は何かを考えて、それを最優先する。

③ 断るときは、相手を最大限尊重することを忘れない。

⭐️コメントです。

この方のように、ストレスで胃の不調から、栄養吸収問題がある方も多いです。

真面目で、いい人ほど、体にシワ寄せが来るようですね。

文中にもあるように、優先順位をつける、初心に戻る、ことは重要ですが、なかなか大変です。

信用できる方に相談する、自分で書いてみることをおすすめします。

垂水でも、琉球朝顔を発見(^^)秋に咲く、朝顔だそうです。垂水駅の、ショッピングモールをまだ「たるせん」と呼んでしまう。。時代を感じます。。正確には、今は「プリコ垂水」ですね!

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海浜ハートケアクリニック
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by nakasone | 2017.10.25 |