26歳双極性障害Ⅰ型の栄養療法と減薬、そして就労
カテゴリー:ブログ
26歳男性です。
中学生時代は、学校がおもしろくないと不登校傾向あり。高校も不登校となり退学。
17歳にカナダへ留学するが、10ヶ月で帰国。その後は大分の大学へ進学した。
大学2年時に、面白くない、想像と違うと休みがちになり、同年12月に突然カナダへ渡航。
翌年1月には石垣島でホテル滞在するが、お金がないため金銭請求が親の元に届いた。
その後、福岡へコンサートに出向くが、金銭がないため空港で暴れる事態となり、現地で医療保護入院となった。被害妄想や精神運動興奮が著るしく、ハロペリドールの点滴やECTを10回受けた。
その後は地元の病院へ転院するが、1年程度で通院は自己中断となった。
その後は落ち着いていたが、R5年2月頃より、アルバイト先で被害妄想が活発となった。
東京に行く、議員に立候補するなど躁状態となり再入院となった。
退院時の処方内容は、バルプロサン1200mg 炭酸リチウム1200mg オランザピン20mgとほぼマックスの内容。
減薬希望で当院にR6.8月初診。
初診時の血液検査の結果は、
AST/ALT=14/12 ビタミンB不足、タンパク質不足示唆。
LDH=144 ナイアシンの不足。
BUN=10.7 タンパク質不足。
尿酸=6.4 好塩基球=0.4% 白血球=5300 好塩基球=21 好塩基球少なく、高メチレーションを示唆。
好中球/リンパ球=54.8/40.5 緊張度はそれほどないか。
UIBC/MCV/MCH/フェリチン=203/92.3/30.1/76 男性の中では鉄不足
グリコアルブミン/1.5AG=12.9/20 低血糖あり。食後高血糖はないか。
血清銅/亜鉛=101/104 比率はいい。
低血糖が顕著なので、うどんを食べ過ぎないこと、少量頻回に食事を取ることを指導。
サプリメントは基本の内容で、ビタミンB、ビタミンC、ナイアシンアミド、亜鉛、ビタミンEなど推奨。プロテインの摂取も推奨した。
R6.11月
栄養も継続し、体重が1ヶ月で1kgずつ落ちている。
R7.10月
会社から内定された。大学もなんとか単位を取得し、卒業できそうと。
その後も調子よく、アルバイトを継続できている。
R7.12月の採血検査結果は、
AST/ALT=21/18 ビタミンB不足・タンパク不足はかなり改善。
LDH=174 ナイアシンのレベルもまずまず。
BUN=14 タンパク質不足もかなり解消。
尿酸=4.8 好塩基球=0.5% 白血球=6100 あまり変化なく、尿酸値も抗酸化対策で低下。
好中球/リンパ球=51.4/42.2 あまり変化なし。
UIBC/MCV/MCH/フェリチン=150/96.2/31.3/82 鉄不足少し解消。赤みのお肉の摂取?
グリコアルブミン/1.5AG=12.5/18.1 低血糖あり。ここは今後の留意点か。
血清銅/亜鉛=98/144 亜鉛は適宜減量を。
R8.3月
就職のため、他県へ引っ越しとなり、当院は一旦終了となりました。
最後の処方内容は、炭酸リチウム800mg エビリファイ12mg クエチアピン12.5mg/夕食後のみとなりました。
過去に数回の入院歴がある、双極性感情障害Ⅰ型(躁うつ病)の方です。
病歴から完全な断薬はリスクが高いので、5年間は継続するように指導していました。
一方で、退院時の処方内容から比べると、かなり減量できた印象があります。
本人は、抗精神病薬の副作用から内服を嫌がっていた経緯もあり、継続できる内容に落ち着いたことは、一定の意義があったと思われます。
就労、そして社会人となれたことが、断薬より一番大切と思われました。
この方は、症状と好塩基球の数から、高メチレーションと判断されました。
高メチレーションの方は、活動性が高い、妄想を抱きやすい、不安やパニックになりやすい、SSRIに逆反応を起こしやすい、ベンゾジアゼピン系で安定しやすい傾向があります。
ナイアシンアミドは、メチル基受容体で、高メチレーションの方のアドレナリン過剰生産を抑えてくれます。
それにより、妄想や幻聴を抑える効果が望めます。
下記は、うつ病の分類ですが、メチレーションについて勉強になります。動画をご覧くだいさい。
うつ病の5つの生化学タイプとメチレーション状態を知る方法 – 京橋ウェルネスクリニック
