疾患紹介(診療のご案内)

疾患紹介

鬱病

鬱病

うつびょう

うつ病とは、普段と明らかに異なる気分のひどい落ち込みがあり、かつ一定期間継続する状態です。

仕事や家庭面など様々な状況で意欲低下を示し、今までの興味・関心が持てない、新たなことに挑戦したいといった向上心の低下、注意力・集中力の低下が生じ、初期症状として普段では考えられないミスが増える、得意分野でミスが増えるなども特徴的です。

思考面としては、過度に悲観的となり、「先が見えない」「過去への過大な後悔が目立つ」「考え自体がまとまらない」「思いつかない」「決断できない」といった思考制止症状も特徴的です。過度に自分を責める傾向が強まり、自己評価が極端に低下し、悪循環になることも見られます。
不安やいらいらも強く、マグマのように悶々としているケースもあり、消えてしまいたい(希死念慮)へ悪化してしまうこともあり、注意が必要です。

身体症状として代表的には、不眠(早期覚醒や中途覚醒の増加)、食欲低下、体重減少、便秘、頭痛、動悸、発汗、手の震えなど呈することがあります。身体症状を多く呈するときは、違う疾患(身体疾患や他の精神疾患)を考慮する必要があります。

治療法としては、まずどのタイプのうつ病か見極めることが重要です。 性格、経過等を総合的に判断して、旧来のうつ病(メランコリー親和型うつ病)との診断では、休養と薬物治療が中心となります。家族・職場への疾患教育・協力を得て、患者さんが心理的休息を得られるよう努めます。

一方で、うつ病は、昨今非常に多岐のタイプ(新型うつ病、現代型うつ病、非定型うつ病、擬態うつ病、回避性パーソナリティー障害とうつ病)が提唱されており、休養・薬物治療のみでは軽快するとは言えないケースも増加しております。状態像を見極め、時節に応じた指導的助言などきめ細かい対応が必要と考えられます。

職場問題や家庭問題などに起因したストレス反応性うつ状態では、薬物療法(抗不安剤、抗うつ剤等)に加え、ストレスにどう対処するか思考面や対処行動を考えることになります。

当院では医師からの質問により、より問題点を明確化、また共有化を図り、焦点をしぼった支援を心掛け、少しでも患者さんの症状緩和に寄与することを目指します。一方で、対応の難しいストレスを抱えた方もおられ、身体的・心理的支援を時間をかけながら行うこともございます。

そううつびょう

躁鬱病

そううつびょう

うつ状態を呈した後、気分の高揚あるいは不機嫌状態となり、口数が多くなる、話す内容がコロコロ変わり、会話内容にまとまりがなくなる、短時間睡眠で快活に活動する、過度な浪費傾向(買い物、ギャンブル)等の症状を呈する状態が繰り返される疾患です。一般的に、うつ状態や躁(そう)状態は数週間から数か月単位で継続します。

躁(そう)状態は、ただ活動的になっているのか、調子が良いだけなのかの境界線を見極めることが難しく、過剰診断となる可能性もあるため診断には注意が必要です。
(うつ状態から躁(そう)状態への移行段階で、躁(そう)うつ混合状態という躁(そう)とうつの症状が入り混じる不安定な状態を呈する段階もあります。)

治療法としては気分安定薬が中心です。
生活指導、特に睡眠不足にならないように指導します。嗜好品(アルコール、カフェイン)も控えるように指導します。

うつ状態が長く、躁(そう)状態が短期間になるケースも多いため、躁(そう)状態にならないように注意しながら、抗うつ剤を追加することがあります。
(ご本人の社会的役割への影響が大きいと判断した場合は、最低量投与します。)
気分の波を社会生活や日常生活で許容できる範囲に抑えることが治療目標となります。

睡眠障害

睡眠障害

すいみんしょうがい

入眠困難、早期覚醒、中途覚醒が頻回となるタイプがあります。
睡眠相のずれ(入眠時間と起床時間が、遅い時間にずれること)いわゆる「概日リズム睡眠障害」、突然夜中に起きだして動き出す・大声を出すなどの「REM睡眠異常」、足がむずむずして眠れない「むずむず足症候群」、いびきが大きく、途中呼吸が止まっている、日中の眠気、頭痛、疲れが取れないなどを呈する「睡眠時無呼吸症候群」も不眠症の原因となります。

治療法は上記鑑別により、専門的治療が必要な方は、専門医療機関を紹介させていただきます。それ以外の方には薬物加療を行います。

患者さんの精神状態・総合的な状態を判断して投薬を行いますが、睡眠薬には耐性(徐々に効きにくくなる)や依存性もあることから慎重に投薬内容を考えております。減量中止を視野に入れた投薬を心掛けております。

不眠相談受け付けております

パニック障害

パニック障害

ぱにっくしょうがい

強い不安を伴う動悸・過呼吸・発汗・手の震え・胸部圧迫感などを伴うパニック発作を生じ、救急車を要請するほどの状態です。内科で検査を受けても問題なく、心療内科や精神科に相談に来られることが多い疾患です。そのままにしていると、パニック発作を生じた場所を回避したい気持ちが強くなり、徐々に行動範囲が狭まり、回避行動が固定してしまいます。

治療法として、薬物治療(抗不安剤を中心に)を行いながら、普段の生活や行動を支障なくすることです。 認知行動療法、不安階層表などがありますが、外来では動機づけの問題もあり、少し難しい印象です。生活の中で治療していくことが多いのが実情です。

パニック障害は心身症(環境への過剰適応、自己犠牲的な行動の行き過ぎ)症状の一つとしても生じることも多く、普段の心理面や行動面の見直しが必要です。

社会不安障害

社会不安障害

しゃかいふあんしょうがい

大勢の人前での発表や、朝礼での発言、会議でのプレゼンなどの際に、過度に緊張し、手の震え・声の震え・足の震え・動悸・呼吸苦・胸部しめつけ感などを呈し、周囲からどう見られているか、評価を過度に気にするために、悪循環で余計に緊張してしまう状態です。

治療法としては、薬物治療(抗不安剤とβブロッカー:交感神経の過剰な働きを和らげる)を用いながら、苦手な場面を乗り越えられるように支援していきます。 症状軽減された後に、心理面や思考面の助言を行います。

強迫性障害

強迫性障害

きょうはくせいしょうがい

不合理な考えが強く、迫るという状態です。本人もばかばかしいと思っている内容の考えがやめられずに確認行動を取ってしまい、余計に不安になるという状態です。

確認行動に時間がかかりますので、能率が著しく低下することへの焦り・罪悪感、周囲がどう思っているかと気になり、自己評価の低下にも繋がり、余計に不安となり悪循環を形成します。
例)手にばい菌がついていて、何度も洗わないと気が済まない、他人が触れる所が耐えられず、何度も拭いてしまう等。

治療法ですが、薬物治療(抗不安剤、SSRI:セロトニン取り込み阻害薬)を行いながら、こだわりの軽減を行動療法的助言(一気にやめるのではなく、回数をコントロールするように努める、時間とともに不安が軽減することを経験する)を行いますが、慢性経過になることが少なくありません。

むしろ逆説的に、強迫行為を取り扱わず、就労面の安定や、別の行動に没頭する時間を増やす、友人と時間を過ごすなど強迫症状が軽減される時間をいかに増やすかを検討することも有用です。

統合失調症

統合失調症

とうごうしっちょうしょう

100人の内1人の方がこの疾患に罹患する可能性がある、非常に多い疾患です。自分と周囲の世界の境界があいまいになる状態です。

恐怖心と、自分がどうにかなりそうな感覚、統合感・コントロール感が失われる状態です。具体的な症状としては、幻聴(人の声が会話形式で非難する内容が多い)、妄想(誰かに何かされている、訂正や説得が困難で内容が理解困難である)、思考障害(だれかに知られている、考えが筒抜けになっている)などが複数見られることが必要です。どれか一つの症状で、統合失調症とは診断しません。総合的に判断します。

治療法として急性期は薬物治療が中心です。幻覚や妄想を抑え、日常生活の平穏を取り戻す支援を行います。経過は4分の1の方が軽快、4分の1の方が軽度症状の残存、4分の1の方が症状不変、4分の1の方が症状が重く、日常生活への支障が目立った状態が続きます。

一過性精神病状態、ストレス反応としても上記症状を呈することがあり、経過観察も必要です。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

かびんせいちょうしょうこうぐん

自分の意識とは関係なく、急激な便意・腹痛・下痢・腹鳴などを生じ、トイレに頻回に行くため、トイレが常に気になり日常・社会生活への影響が大きくなる状態です。

脳腸相関というように、腸は第二の脳と言われ、日本にもことわざも多いことから、古人も経験していたと思われます。

例)「腹が立つ」「腹を据える」「腹わたが煮えかえる」

腸と脳は共通点も多く、セロトニンは腸内で最も産生され、腸内細菌のコミュニケーションとしても用いられ、脳内でもセロトニンは憂うつ感を和らげる幸福物質として使われます。

治療法としては薬物加療で、過度の不安を和らげ、疾患の説明で思考の悪影響を止めるように努めます。 薬物としては、上記セロトニンの一部に作用して下痢を抑えるもの、腸内の水分を調整するもの、腸の過剰な動きを抑えるもの、不安を和らげる抗不安剤等があります。また整腸剤(善玉菌、乳酸菌や酪酸菌)、グルタミン(ストレス時に胃腸粘膜の原料や燃料になるもの)も併用します。

月経前症候群

月経前症候群

げっけいまえしょうこうぐん

有経女性における、排卵前後の急激なホルモン変化に伴う身体・精神症状のことです。全身倦怠感・食欲低下・亢進・むくみ・便秘・吹き出物の増加・憂うつ・不安・焦燥・不眠等を呈する状態で、日常生活への支障が大きい状態です。

一般的には婦人科で低用量ピルや漢方治療が一般的ですが、当院では分子栄養療法に基づく栄養補充や食事指導、プロゲステロンクリームの投与などを行い、副作用の少ない治療法を提案します。

更年期障害

更年期障害

こうねんきしょうがい

閉経前後数年における、女性ホルモンの急激な低下に伴う身体・精神症状のことを指します。のぼせ・発汗・頭痛・動悸・手指振戦・いらいら・抑うつ気分・意欲低下・不眠等を呈します。

一般的に婦人科でホルモン補充療法を行いますが、当院ではプロゲステロンクリーム補充、分子栄養療法、漢方治療(当帰芍薬散、加味逍遥散、温経湯)を行います。

認知症

認知症

にんちしょう

アルツハイマー型認知症では、新しいことが覚えられない、日時が分からない、今まで出来たことができない(仕事・料理・身支度など)等の症状を呈し、周囲の人がまず気づくことが多い疾患です。

初期段階は、薬剤も有効ですが、進行した状態ではあまり有効ではないことが多い印象です。生活習慣病の合併がある方は、基礎疾患の治療も重要です。鑑別診断として、治療可能な疾患(脳内出血、脳梗塞、正常圧水頭症、全身疾患、うつ病)を除外することが重要です。

その他、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)、血管性認知症(脳梗塞)等の鑑別も必要です。介護上問題となる、認知症の周辺症状(中心症状から生じた、物取られ妄想、興奮、怒りっぽさ、不眠等)には薬剤が有効です。

副作用に留意しながら薬物投与し、介護負担を軽減することを目指します。

その他症状

その他症状

摂食障害やPTSDなど入院加療が必要と判断する場合は、一般病院も含めて入院目的でご紹介することもございます。
外来治療にできること、できないことを常に考えております。